自分自身の勉強もかねて、論文内容をブログ等のインターネットで紹介する時の著作権対策についてご紹介します。
著作権 Copyright について

まず基本的に、商用利用、私的利用を問わず、他人の著作物をSNSやブログといった媒体に無断でアップロードすることは、著作権法違反に引っかかります。
他人の著作物を自分のSNSやブログなどの自身の著作物に挙げる際には、まず挙げるテイが「引用」なのか「転載」なのか「参考」なのか、というのをはっきりさせて、ルールをしっかり守った上で用いなければなりません。
「引用」とは
引用とは、他の著作者の著作物をそのまま自分の創作物に用いることをいいます。
引用といえるのは基本的に「短い文章をそのまま引用する」場合で、この場合、一般的に持ち主の許諾は必要ありません。
引用をする際は、次の4点が特に大切です。
・引用部分は自身の著作物の「補足」程度にする
引用部分は「量」においても「質」についてもメインコンテンツを補完する程度にはとどめなくてはなりません。引用する文章は短く、内容も自分の著作物の内容を補足する程度にとどめましょう。
・引用部分を改変しない
引用する際少しでも改変してしまうと、著作権法で規定されている著作者人格権のうち「同一性保持権」に抵触したと見なされます。
この改変には、文章に含まれる句読点や文字の表記(字体も含む)、改行位置なども含まれることには注意が必要です。元の文章を「一言一句変えてはならない」と考えるとよいでしょう。
なんらかの理由で表現を変えたい場合は「参考」または「参照」として使用し、自分の言葉でまとめなおしましょう。
・引用部分を明確に区別している
まず、引用するのが文章ならカギかっこで区切ったりフォントや色を変えたりして、可能な限り他と区別できるように示すことで、どの部分が引用部分で他の著作者の著作物なのかはっきりさせましょう。
・出典を明示する
この場合の出典は「引用元」を指しますが、出典は引用部分のごく近くに、見る人にわかりやすく明記するようにしましょう。(著作権法48条)
「転載」とは
転載とは、引用のうち、他から取り入れるコンテンツが大半を占める場合をいいます。そうなるともはや転載されたコンテンツがメインです。
具体的には、長い文章(または、図表)を紹介する場合に「転載」という形になり、この場合、元の著作物の内容に極めて似ていることになるから、著作権者の許可が必要とされています。
転載をする際のルールは、引用のルールと同じです。
- 転載部分を改変しない
- 自分のコンテンツと明確に区別されている
- 転載部分が改変されていない
- 出典が明記されている
- 著作権者の許可が必要
「転載」は「引用」よりも他の著作物を強く利用する為、引用のルールに加えて、「著作権者の許可をもらう」という決まりがあります。
無断で(著作権者の許可なしに)利用できる著作物
転載は原則として著作者の許諾なしではできませんが、著作権法は以下の2つのケースに限り、許可なく転載できると定めています。
- 国や自治体が周知することを目的として作成した広報資料、統計資料、報告書(著作権法第32条2項)
- 新聞や雑誌に掲載して発行された政治・経済・社会上の時事問題に関する論説(著作権法第39条)
これ以外のコンテンツを転載する場合は、必ず著作権者の許諾が必要と覚えるとよいでしょう。
「参考」とは
何かの情報や意見を元にして、自分の考えやイメージを発展させた場合には、参考を使用します。
参考も、参考元として文献やWebサイトの名前を明示することもありますが、引用ほど厳密に区別する必要性は低いです。
また、「引用」や「転載」が、他人の著作物をそのまま取り上げるのに対し、「参考」では他人の著作物を自分自身の文として改変しても構いません。
他人の作品を参考にするときの注意点
(1)他人の著作物を参考にするときには、その参考にする部分が、①その著作物の独創的な部分なのか、それとも、②他の著作物にもよくある部分なのかを検討する必要があります。
(2)独創的な部分につては、創造性がみられるために著作権侵害になる可能性が高まります。
(3)逆に、他の著作物にもよく登場する部分であれば、これを参考にしても著作権侵害にはなりません。
「参照」とは
「参照」とは、図や文書などの資料に照らし合わせる際に使用します。
参考が人の意見など文章のような「形」ではないものにも使える言葉なのに対し、参照は資料や写真・図版など形のある情報にしか使えないのです。
「参照」よりもカバーする範囲が広いため、参照・参考のどちらを使用していいか分からずに迷った場合には「参考」を使用することをオススメします。
まとめ
引用:短い文章をそのまま紹介すること。一般的に持ち主の許諾は必要ない。
転載:長い文章(または、図表)をそのまま紹介することを指し、持ち主の許諾が必要。
参考・参照:他人の著作物の資料などをヒントに文章を考えた場合に利用。
参考:著作権法|e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048
おまけ – 論文の著作権に関して
論文を引用する
調べた限り、WEB上で「転載」できそうな論文は以下の3パターンでした。
- Creative Commons の形式で公開されている論文
- 「転載可能」なことが明記されている論文
- Copyright Clearance Center が提供する Rightslink で承諾が得られた論文
Creative Commons については、こちらの公式ページが分かりやすいです。
ちなみに、学術誌の多く(J-Stageなど)は、ほとんどが3.に当てはまり、著作権管を Copyright Clearance Centerという企業に委託しており、この場合、論文を様々な用途で使用するには、この企業が提供するRightsLink というシステムから承諾を得る必要があります。
無料のこともあれば、お金を払わなければ転載できないこともあるようです。


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